中国科学院深圳先進技術研究院は13日、研究者が組織のカバー範囲が最も広く、タイムスパンが最も長く、サンプル採取の密度が最も高い人体の免疫系形成マップの構築に成功し、免疫細胞の「新タイプ」であるミクログリア類似体を発見したと明らかにした。科技日報が伝えた。
12日付の学術誌「Cell」に掲載されたこの研究成果は、深圳先進技術研究院合成生物学研究所の李漢傑氏のチームが、深圳市宝安区婦幼保健院や深圳大学、上海交通大学、復旦大学などの機関と共同で研究。深圳合成生物研究重要科学技術インフラを利用した。
研究チームは11種の主要な免疫細胞タイプを特定するとともに、それぞれの主要タイプの免疫細胞について、より細かい分類を行った。最終的に15種のマクロファージを含む56種の免疫細胞亜種を確認し、その時空動的変化の軌跡を正確にマップに記述した。
ミクログリアは中枢神経系の最も主要なマクロファージとして、これまでは脳と脊髄にのみ存在し、他の器官や組織には存在しないと認識されていた。しかし、研究チームにより、発育期には細胞の形態をした、特徴的タンパク質を発現する、トランスクリプトーム発現プロファイルがミクログリアに良く似た一種の特殊細胞亜群が、中枢神経系以外の複数の組織(表皮、心臓、睾丸を含む)に広く分布していることが分かった。研究チームはこれをミクログリア類似体と名付けた。
李氏は「ミクログリア類似体の発見は、ミクログリアが中枢神経系にしか存在しないという従来の認識を改めることになる」と述べた。