光量子計算プロトタイプ「九章3号」の開発に成功

2023年10月13日

　中国科学技術大学中国科学院量子情報・量子科学技術革新研究院の潘建偉氏、陸朝陽氏、劉乃楽氏らの研究チームは、中国科学院上海マイクロシステム・情報技術研究所、国家並列計算機工学技術研究センターと協力し、光子数が255の量子計算プロトタイプ「九章3号」の構築に成功し、光量子情報の技術水準と量子計算の卓越性の世界記録を更新した。中央テレビニュースが伝えた。

　研究者は時空間再利用による光子検出の新たな方法を設計し、忠実度の高い準光子数識別検出器を構築。光子の操作水準と量子計算の複雑度を高めた。発表された最も優れたサンプリングアルゴリズムによると、「九章3号」のガウスボーズサンプリングの処理速度は前世代の「九章2号」の100万倍に高まった。「九章3号」が100万分の1秒以内に処理する複雑度が最も高いサンプルは、現在最強のスパコンとされる「フロンティア」ならば200億年以上の時間がかかる。今回の成果は光量子計算分野における大きな進展となった。

九章3号の実験原理の概略図（資料写真）

関連リンク

【科学技術】「九章」と「祖冲之」のアップグレード―量子コンピューティングの未来