中国の「三北(東北・西北・華北)」防護林プロジェクトは国の重要戦略となっている。中でも河套地域(黄河が「几」字形に湾曲する地域)の難関攻略戦は最も重要となる。黄河南岸にはクブチ砂漠が果てしなく広がっているが、ずらりと並ぶソーラーパネルと建設中のパイプパイルの下に緑が点在している。砂漠での太陽光発電拠点の建設は、日照資源を十分に利用して発電を行い、経済効果を生むほか、土壌の水分の蒸発を効果的に減らし、植被率を高めることができ、パネル下の栽培、パネル間の家畜飼育により、現地の農家・遊牧民の生活水準の向上に役立っている。人民日報が伝えた。
内モンゴル自治区オルドス北中部のクブチ砂漠に位置する三峡集団新エネルギー拠点プロジェクトが2022年8月3日に承認され、国家砂漠拠点初のプロジェクトとなった。プロジェクトは太陽光発電800万キロワット(kW)、風力発電を400万kW建設する。
三峡新エネルギーと億利集団が同砂漠の奥地(南東部)で共同開発するオルドス市蒙西拠点クブチ200万kW太陽光発電砂漠化対策プロジェクトは敷地面積約6667ヘクタールで、新エネルギー発電産業と砂漠生態対策、現代農業・牧畜業を有機的に結びつける。同プロジェクトは年内に全容量の系統接続を実現する見込みとなっており、完成後に砂漠面積6667ヘクタールを修復・保全でき、黄河に流れる砂を年間200万トン減らし、グリーン電力を年間約40億キロワット時(kWh)供給する。
パネル上でグリーン電力を発電し、グリーン水素を製造し、パネル間で草を生やし、家畜と家禽を飼育する。パネル下がオアシスになり、グリーンな利益を生むことで砂漠の緑は今後さらに広がり続け、中国北部辺境に長い「グリーンウォール」を築くようになる。