国連環境計画(UNEP)は10月30日、国連環境保護分野の最高栄誉である「地球大賞(UN Champions of the Earth Awards)」を、中国の海洋プラスチックごみ回収の新モデル「藍色循環」に授与し、同モデルによる近海プラスチックごみガバナンスの傑出した貢献を表彰すると発表した。新華社が伝えた。
UNEPは同日発表した声明で、「藍色循環」モデルはブロックチェーンやIoT(モノのインターネット)などの技術を駆使し、海洋プラスチック汚染の収集、再生、再製造、再販売などの全段階の可視化・トレーサビリティを実現し、現在まで1万トン以上の海洋ごみを収集した。これは中国最大の海洋プラスチックごみ回収プロジェクトであり、「地球大賞」の「企業ビジョン部門(Entrepreneurial Vision)」を受賞したとした。
UNEPのインガー・アンダーセン事務局長は声明で「私たちの健康と地球環境のために、プラスチック汚染に終止符を打たなければならない。これには徹底的なトランスフォーメーション、プラスチック生産量の減少、使い捨てプラスチックの淘汰が必要な上、プラスチック汚染の環境及び社会への悪影響を回避するため、リサイクルシステムと代替品に方向転換するべきだ。今年の受賞者は、革新的なガバナンスプランが確実に効果的であることを示し、人類とプラスチックの関係の見直しにヒントを与えている」と述べた。
「藍色循環」モデルの模索は2020年に、中国の浙江省で始まり、沿岸部の住民、漁師、船舶、そして複数の企業が共同で参加した。沿岸部住民に海洋プラスチックごみの収集に参加させ、プラスチック応用企業と協力するともに、「藍色連盟共富基金」を設立して価値の二次分配を行い、最前線の収集参加者に利益をもたらし、生態と人々の「ウィンウィン」を実現した。
「地球大賞」は国連環境保護分野の最高の栄誉で、環境保護に変革的な影響をもたらした個人、団体、機関に毎年1回授与される。2023年は計2500件の応募があり、うち5件がプラスチック汚染への革新的なソリューションと変革の行動により受賞した。