2023年11月06日-11月10日
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中国、「グリーン電力」が急速に拡大

2023年11月06日

 中国福建省アモイ市でこのほど、第24回東アジア・西太平洋電力工業協会大会が開かれた。「グリーン低炭素、電気で未来を灯す」をテーマに、50以上の国・地域の来賓が意見交換し、成果を共有した。中国は再生可能エネルギー発展の面で、各国と手を携えて、エネルギーのグリーン・低炭素イノベーションの道を模索している。新華社が伝えた。

 カンボジア電力公社発電部の幹部は「15年前、カンボジアの電力源の90%は化石燃料だった。1キロワット時(kWh)当たりの電気料金は1ドル(1ドル=約150円)を超え、電気普及率は4%未満だった。それが現在では、電力供給の50%以上が再生可能エネルギーで、電気料金は0.1ドル未満となった。電力網も全国に拡大した」と述べた。カンボジアでは現在、水力発電の総発電設備容量は6300メガワット(MW)で、水力が占める割合は52%以上となっている。

 世界エネルギー会議のアンジェラ・ウィルキンソン事務局長兼CEOは大会のあいさつで「中国は数十年にわたる多くの取り組みとリソースにより、エネルギートランスフォーメーションを実現し、十数億人に恩恵をもたらした。中国はダブルカーボン(CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)の目標を打ち出し、約束を果たしつつある。中国の再生可能エネルギーの生産能力は、24年末までに世界の40%を占める見込みだ。これらはすべて非常に驚異的な成果だ」と述べた。

 2021年、中国主要発電企業による非化石エネルギー発電への投資額は5203億元(1元=約21円)で、電力源への総投資額の88.6%を占めた。22年の中国のクリーンエネルギー発電量は前年比5.3%増の2兆5400億kWhだった。23年上半期(1~6月)の全国の再生可能エネルギー設備容量は13億キロワット(kW)となり、初めて石炭火力発電を上回った。こうした一連のデータは、中国における「グリーン電力」の急拡大を示している。

 
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