甘粛自然エネルギー研究所には、中国に現存する最も古い太陽光発電所がある。この発電所は1983年に甘粛省蘭州市楡中県園子郷小岔村で完成した後、同研究所に移された。中国新聞網が伝えた。
小岔村は当時、甘粛省で最も貧しい地域の一つで、標高2600メートルの山間部に位置し、交通の便が非常に悪かった。以前は電力供給がなかったため、人々は大豆油や灯油のランプやロウソクを使っていたが、1983年、ここに中国初の10キロワット(kW)太陽光発電所が完成し、初めて村に電気が通り、現地の130世帯の住民数千人に光を届けた。
中国再生可能エネルギー学会太陽光発電専門委員会の李世民副主任によると、同発電所の太陽光発電モジュールは36枚の単結晶102×102テクスチャ構造電池パッケージを採用。単体モジュールの標準出力は45ワットピーク(Wp)、総発電設備容量は10kWpで、900アンペアアワーの蓄電池200個が直流電圧200ボルト(V)のバッテリーユニットを形成している。
この10kW太陽光発電所は40年もの間、西北地域の極寒、酷暑、砂嵐などの悪天候の試練を経たが、引き続き安定的に稼働しており、現在も7kWの出力を保っている。
上海電力大学の施正栄教授は「この太陽光発電所は、結晶シリコン太陽光発電製品が確実で信頼できることを検証した。業界内の太陽光発電モジュールの使用期限は25年だ。40年という事実は、25年間は問題がなく、さらに長く使用できることを証明した」と述べた。
同研究所にはこのほか、保存状態が良好な太陽光発電モジュールが多数見られた。これらの「年代物」は過去数十年にわたる太陽光エネルギー発展の歩みを記録している。同研究所の周剣平所長は「太陽光発電技術の急速な発展により、コストが大幅に低下し、従来のエネルギーに代わる重要な選択肢になった」と語った。