2023年11月27日-11月30日
トップ  > 科学技術ニュース >  2023年11月27日-11月30日 >  10秒間に1台を製造 発展続く長江デルタの新エネ車産業

10秒間に1台を製造 発展続く長江デルタの新エネ車産業

2023年11月29日

 今年第1~3四半期(1~9月)、中国の長江デルタ地域における新エネルギー車生産台数が260万台を超えた。これはつまり、同地域で新エネ車が約10秒間に1台製造されたことを意味する。

 中国汽車工業協会のデータによると、今年第1~3四半期には、中国の新エネ車輸出台数が82万5000台に達し、前年同期の2.1倍になった。上海税関のデータでは、同時期に上海税関エリアにおける乗用電気自動車の輸出台数が47.57%増の42万台以上となった。

 長江デルタでは現在、新エネ車の産業チェーンが集積しながら急速に発展している。今年第1~3四半期における長江デルタ地域の新エネ車生産台数は、上海市が91万5000台、江蘇省が70万5000台、浙江省が41万8000台、安徽省が60万6000台で、中国全体の新エネ車生産台数に占める割合は40%を超えた。

 長江デルタの「自動車製造勢力図」は、作業を分担しながら協力する構造が加速度的に形成されている。上海市で新エネ車の設計が行われ、半導体やソフトウェアといった「車のブレーン」が提供される。安徽省桐城市では「車の心臓」に当たる車載電池の生産量が徐々に増えている。江蘇省南京市では新エネ車が組み立てられ、完成車がラインオフする。浙江省永康市では車内のスマートソフトウェアのテストが進められている。

 生産台数の急増とともに、長江デルタでは新エネ車の「4時間産業圏」が徐々に形成され、新エネ車のハードウェアからソフトウェアまで、設計から製造までがすべて江蘇・浙江・上海で完結する。

 同協会の許海東サブチーフエンジニアは「上海をはじめとする長江デルタ地域は、自動車製造の基盤が厚く、イノベーション・開発を担う人材が集まり、情報技術(IT)が発達している。さらに充電設備が整備され、応用シーンが絶えず拡大発展していることもあり、新エネ車産業クラスターの構築に向けた良好な基礎が固められている」と述べた。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます