インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)と浪潮電子情報産業股份有限公司は11月29日に開かれた2023人工知能計算大会(AICC)で、「2023−24年中国人工知能(AI)計算力発展評価報告」を共同で発表した。報告は、2023年の中国AIサーバー市場規模が前年比82.5%増の91億ドル(1ドル=約146円)で、27年には134億ドルに達し、複合年間成長率が21.8%になると予測した。科技日報が伝えた。
報告は18年から6回目の発表となる。それによると、AIは識別型から生成型への進化を加速させており、これに伴いAIの計算能力ニーズも急増している。22~27年における中国のAI計算能力の規模は複合年間成長率が33.9%に達し、汎用計算能力の規模が16.6%になると予測されている。世界のAIハードウェア市場(サーバー)の規模は22年の195億ドルから26年には347億ドルに成長し、複合年間成長率は17.3%に達する。生成AIの運営に使われるサーバーの市場規模がAIサーバー市場全体に占める割合は、23年の11.9%から26年には31.7%に成長する見込みだ。
報告は、中国企業は生成AIへの許容度が一般的に高いとしている。調査によると、中国企業の67%がすでに、生成AIの企業内での応用を模索しているか、関連投資を開始している。中国企業は特に生成AIが意思決定の加速、効率アップ、ユーザーと従業員の体験性の最適化などにもたらす価値を受け入れており、今後3年間でその取り組みを強化するとしている。しかし同時に、企業はコンピューティングやストレージなどの資源不足、業界大規模モデルのユーザビリティの向上、投入コストの高さなどの問題がもたらす圧力にも直面している。
報告では、中国のAI技術は全面的応用の時代に向かっていると指摘している。今年のAIの業界浸透度ランキングの上位は、インターネット、電気通信、行政、金融、製造の順となった。
また、北京市や杭州市、上海市、深圳市、広州市、合肥市、蘇州市、重慶市などの都市が、過去5年間(18~22年)にAI分野で顕著な成果を上げた。生成AIとスマートコンピューティングセンターへの投入の影響を受け、今年の中国AI都市評価ランキングは北京が首位を維持、2位が杭州、3位が深圳となった。以下、上海、蘇州、広州、済南、合肥、重慶、成都がトップ10に入った。