2023年12月01日-12月08日
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中国、過去10年間のCO2濃度上昇幅が世界を下回る

2023年12月07日

 中国気象局が1日に発表した「2022年中国温室効果ガス報告(総第12期)」によると、青海省にある瓦里関世界大気バックグラウンドステーションが2022年に観測した二酸化炭素(CO2)の濃度は前年比約2.3ppm上昇し、世界の上昇幅とほぼ同等だった。過去10年間(2013~22年)のCO2濃度の平均絶対増加量は2.16ppmで、世界の同期間(2.46ppm)を下回った。衛星リモートセンシングモニタリングによると、22年における国内陸地エリアの大気中二酸化炭素濃度の平均増加量は、過去10年間の平均絶対増加量を大きく下回った。光明日報が伝えた。

 同報告によると、瓦里関世界大気バックグラウンドステーションが22年に観測したCO2、メタンガス、亜酸化窒素の濃度は北半球中緯度地域の平均濃度とほぼ同等だった。メタンガスの濃度は前年比約14ppb上昇し、世界の同期間(16ppb)をやや下回った。また22年度の中国6エリアにおけるバックグラウンドステーションのCO2とメタンガスの濃度は、21年度と比べ大半が増加傾向を示した。

 中国気象局は1980年代から1つの世界大気バックグラウンドステーションと6つのエリア大気バックグラウンドステーションからなる大気バックグラウンド観測ステーションネットワークを完成させた。これにより中国は京都議定書の7カテゴリ30種類余りの温室効果ガスの観測を実現した。中国気象局は将来的に観測能力をさらに高め、中国の気候重要エリア16カ所をカバーし、世界の主要緯度帯に広がる全要素温室効果ガスバックグラウンド観測基幹ネットワークを形成する。25年には、より高性能な世界温室効果ガスモニタリング装置を搭載した風雲3号気象衛星08星の打ち上げを計画している。

 
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