2023年は大規模AIモデルに基づいた生成AIの開発が爆発的に加速した年となった。業界関係者は、24年から生成AIアプリケーションが大々的に普及し、既存産業をも変える「2.0時代」に入る可能性があると予測している。
中国工程院院士(アカデミー会員)で清華大学AI産業研究院(AIR)の張亜勤院長はこのほど北京で開かれた「WISE2023商業王大会」で、「大規模AIモデルの今後のトレンドは、マルチモーダル・マルチスケール、新しいアーキテクチャ、自律型インテリジェンス、エッジインテリジェンス、物理インテリジェンス、バイオインテリジェンスだ。将来的には、情報インテリジェンスと物理インテリジェンス、バイオインテリジェンスが融合する」との見方を示した。
AIの応用シーンについて張氏は「今後5年間、大規模AIモデルの牽引の下、自動運転とロボット分野の企業が次々と登場する可能性がある。これまではロボットと対話する時、常識的な問題もなかなか解決できなかったが、大規模AIモデルは重要な問題を解決してくれた。同モデルが今後、大きな促進作用を発揮する」と指摘。「バイオ医薬品分野におけるAIの応用が今後かなり進むだろう。現在、AIが最も活用されているのは生産性やBtoCに関する分野だったが、今後はBtoBにおける運用見通しがかなり明るい」との見方を示した。
百度集団の何俊傑副総裁は「強力な大規模AIモデルは今の技術変革の『1』で、大規模AIモデルをベースに開発される大量のAIネイティブアプリケーションはその『N』に相当する。1が前提条件ではあるが、Nの大きさこそが、量子化できる実際の価値だ」と説明した。
そして「AI産業アプリケーションでは、アプリケーション駆動型の急速な発展が見られる。AIの技術スタックは、チップ、アーキテクチャ、モデル、アプリケーションの4レベルに分けることができる。チップ、アーキテクチャ、モデルにはアプリケーションの牽引が必要だ。世界では現在、AIネイティブアプリケーションが主な発展動向となっている」と説明した。