2023年12月11日-12月15日
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熾烈な競争が続く中国の新エネ車市場 チャンスはどこに?

2023年12月13日

 中国では現在、消費者が購入した国産自動車のうち、10台に6台が新エネルギー車となっている。欧州市場では、購入された新エネ車のうち、10台に1台が中国製となっている。中国新聞網が報じた。

 このように中国では近年、新エネ車産業の発展が世界の注目を集めている。6日には広西チワン族自治区柳州市で「新エネ車産業発展・高度人材育成ハイレベル対話」が開かれ、専門家や学者が「新エネ車市場の競争が熾烈になる中、さらに多くのチャンスや新たな競争の場が作られる」との見方を示した。

 中国電動汽車百人会の師建華副秘書長は、「中国の新エネ車市場はすでに激しい試練を受け、ふるいにかけられる厳しい段階に突入している。完成車販売市場は、激しい競争を繰り広げているが、それは逆に自動車のアフターマーケット市場に大量のビジネスチャンスをもたらすことになる」との見方を示した。

 そして、「新エネ車の保有台数が増加し、楽観視できる状況になっており、中古車市場の規模も拡大するだろう。その他、新エネ車の修理やメンテナンス、検査、評価、処分、回収といった分野でも、大量の雇用が創出されるはずだ。新エネ車産業チェーンは長く、カバーする分野が幅広いため、発展のチャンスと課題の両方が存在する」と指摘した。

 清華大学車両・モビリティ学院の許述財教授は「スマートコネクテッド技術が今後、新エネ車市場の新たな競争の場となるだろう。スマートコネクテッドカーの開発と生産は、複数の産業が垣根を越えて融合した成果だ。自動車の本体、交通設備、5G車載ネットワーク(IoV)の下支えが必要となる」と述べた。

 現在、蔚来(NIO)や哪吒(NETA)、比亜迪(BYD)といった中国の有名な新エネ車メーカーが、スマートコネクテッド技術の分野に大量の資金を投じている。それも、この「新たなブルーオーシャン」に先頭を切って参入することで、今後、市場における競争力を効果的に高めることができると見ているからだ。

 新エネ車産業が活性化するのに伴い、同分野の技術者も引っ張りだこになっている。5日には柳州市で新エネ車スキルコンテストが開催され、中国各地の高等教育機関から参加した技術者や教員、学生ら約1000人が、新エネ車の軽量化やエレクトリック・コントロール・ユニット技術などを競い、切磋琢磨した。

 新エネ車が教育産業を牽引する役割も高まっており、中国の高等教育機関500校以上が新エネ車関連の学科を開設している。就職の前途が非常に明るいため、学生の間で人気になっており、海外の業界関係者も知識を深めるために訪れている。

清華大学
 
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