中国では「空飛ぶタクシー」と呼ばれる2トン級eVTOL(電動垂直離着陸機)「M1」の開発が進んでいる。
同機は上海市の航空テクノロジー企業が開発・設計を担当。全長10メートル、全高3メートル、全幅15メートル、重量2トンで、自動運転の設計航続距離が250キロ、最大巡航速度が時速200キロ、最大積載量が500キロとなっており、最大5人まで搭乗できる。「M1」は滑走路が不要で垂直離着陸が可能となっており、電力でモーターを駆動するため、低騒音とゼロエミッションが実現できる。
2023年3月末に第1機がラインオフし、9月から第1回飛行に向けたテストが始まり、10月に初飛行に成功した。
11月に行われた第6回中国国際輸入博覧会(輸入博)では、将来の都市上空の移動交通手段として注目を集め、意向書も締結された。
現在、eVTOLは民間航空と地上交通の間を埋める新たな交通分野として注目されており、地上より高く、高度3000メートルより低い「低空域」で、立体的な低空域交通システムを構築することが期待される。
中国民航管理幹部学院の許東松副研究員は「全体として見ると、eVTOL分野全体でもドローン分野でも、中国は世界の先頭集団に位置している」と述べた。