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海南省で世界初の商用海底データセンターが稼働

2024年01月24日

 中国海南省陵水リー族自治県の清水湾でこのほど、商用海底データセンターが稼働した。人民日報が伝えた。

 海底データセンター海南モデル開発プロジェクトの蒲定総経理は「海底専用クラウドデータキャビンが順調に海底に沈み、海南陵水商用海底データセンター第1期モデルプロジェクトのデータキャビン設置が完了した。2023年12月31日にデータキャビンが通電し、調整も終わったことで、第1期プロジェクトは無事に完成した。キャビンは現在、安定的に稼働している」と説明した。

 海南陵水商用海底データセンターは世界初の商用海底データセンタープロジェクトだ。では、なぜデータセンターを陸から海に移したのだろうか?

 蒲氏によると、データセンターのサーバーは稼働中に大量の熱を放出するため、エアコンなどの冷却システムを使って温度を下げなければならず、大量の電気エネルギーと淡水資源が必要になる。海底データセンターは、海水を自然の冷却システムとしているため、エネルギー消費量を削減できるのが最大のメリットとなる。また、淡水資源をほとんど使う必要がないため、より高い電力密度をサポートすることができ、計算能力の向上にもつながる。

 今回設置されたデータキャビンの重さは1300トン以上で、小型自動車1000台分の重さに匹敵する。計算能力は陸地のサーバールームよりも密度が高く、一つのサーバーキャビネットに設置できるサーバーも20台以上に増えているため計算能力が高まっており、海底データセンターの性能の高さと優位性を発揮している。

 計画では、海南陵水商用海底データセンターにキャビン100基が設置されることになっている。完成後は、同規模の陸地のデータセンターと比べて、消費電力を年間1億2200万キロワット時削減できるほか、用地面積を6万8000平方メートル、使用する淡水量を10万5000トン、それぞれ減らすことができる。

 プロジェクトの建設を担当する海蘭雲数据中心科技有限公司の李家文副総経理は「今回設置した専用クラウドキャビンは、海底のスーパーコンピューターのようで、従来のコンピューター6万台が同時に作業するのと同等の計算能力を持っており、30秒以内に400万枚以上の高解像度画像を処理することができる」と説明した。

 
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