2024年02月01日-02月02日
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「5G+AI」技術によるスマート医療で末端医療機関を支援

2024年02月01日

 中国海南省の農村部ではこれまで、病気になった住民が病院を受診するには多くの手順を踏む必要があった。最初に受診するのは、自宅から最も近い村の診療所で、やや複雑なケースになると町の医療機関に行き、場合によっては県、市、省級の病院に足を運ばなければならなかった。手間がかかるため、行き来するたびに体力を消耗し、病状が悪化することさえあった。

 現在は5Gによってこうした状況が大きく変わった。

 海南省東方市感城鎮感北村に住む麦さんはこのほど、村の診療所で診察を受けた。村医の陳志輝さんが「スマート医療一体機」を使って一連の検査を行い、5Gネットワークと遠隔医療プラットフォームを通じて大病院とつなぎ、リアルタイムで診断を行った。小さな診療所が5Gを活用することで医療サービスが全面的に向上した。診療所の医師は、5G診療キットを携帯して、僻地の住民に訪問診療を行うことも可能になった。

 5G・AI(人工知能)技術により、海南省は省・市・県の医療資源を末端レベルにも提供。省内の市・県級病院19カ所、市の診療所や農場病院計約340カ所、村の診療所2700カ所に、5Gネットワーク対応の携帯式超音波検査や眼底カメラなどを配置した。これらは、慢性疾患フォローアップデータの自動収集や総合診療医のスキルトレーニング、AIによる診断支援、遠隔診療などの機能を備えている。

 
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