中国江蘇省常州市統計局はこのほど、同市の2023年の域内総生産(GDP)が1兆116億4000万元(1元=約21円)となり、不変価格で計算した前年比が6.8%増だったと明らかにした。新華社が伝えた。
上海市のGDPが06年に初めて1兆元を突破してから、中国の大陸部では26都市が1兆元を超えた。今回の常州市の1兆元突破により、江蘇省は5つの1兆元都市を持つ省となった。
長江デルタの中核エリアに位置する常州市は、中国のGDP1兆元都市の中で人口が最も少なく、面積が最も狭い。改革開放の初期には製造業の大きな発展により「中小都市が常州に学ぶ」というのが当時の流行となった。しかし、粗放的な発展スタイルにより、環境負債も積み重なった。
経済のトランスフォーメーション・高度化や成長スタイルの変化により、常州は新たな道を歩むこととなった。同市の盛蕾市長は「2013年より新エネルギー産業の展開に着手した。データによると、常州の23年の新エネ産業の生産高は7680億元を超え、動力電池分野の産業チェーンの完全度は97%となっている。『2023胡潤中国新エネ産業集積度都市ランキング』では、当市は新エネ投資活況度集積指数で国内トップだった」と述べた。
市内では新エネ産業が産業チェーンとクラスターを形成し、常州製「新御三家」(電気自動車、リチウムイオンバッテリー、太陽電池)の海外での売り上げも好調だ。常州に本社を置く動力電池企業「中創新航」は昨年、海外顧客数と海外顧客からの売り上げがいずれも前年比で数倍増となった。
同市はここ数年、グローバル企業のCEO(最高経営責任者)80人以上を視察に招き、協力を推進している。米EnerVenue社のCEOであるJorg Heinemann氏は、「常州の新エネ産業基盤に好感を抱いており、市内に工場を設立することを決めた」と述べた。