中国では最近、教育関連商品の売り上げが好調だ。教育分野でも大規模AI(人工知能)モデルに基づく新商品が登場しており、価格帯も3000元(1元=約21円)から1万元と幅広い。
これまでのAI学習関連商品は、技術的な制約により国語や英語など文系科目しかなかった。しかし最近発売された新商品を見ると、「全科目指導」となっており、「AI教師」が理系科目も指導し、学習者と「対話」を重ねつつ、解答のヒントを与えることも可能になった。
学生教育だけでなく、社会人教育の分野でも「大規模モデルカリキュラム」が登場している。北京の社会人教育関連企業によると、こうしたAIデジタルヒューマンが講師役を務めるカリキュラムは、リリースから2カ月で15万人以上の受講生を集めているという。
ある調査レポートによると、2024年は教育用スマートハードウェアの市場規模が1000億元を超え、商品とAI技術との融合がますます深まるという。消費者の有料サービスに対する利用意欲も高まり、ハイエンド学習機器商品が業界で中心的位置を占めるようになる。これにより、さまざまな教育企業が相次いで参入し、技術競争を繰り広げ、教育用スマートハードウェアだけでなく、オンラインの教育関連商品も競争がさらに白熱化すると見られている。
教育分野での大規模モデルの応用範囲が広がると、「人間の先生に取って代わるか」という議論も起きるようになった。業界関係者は「AI技術の能力範囲は絶えず拡大しているが、現時点の商品開発は教育補助ツールが中心となっている」と語った。
賽迪研究院未来産業研究センターの鍾新竜副研究員は「教育の本質には、人の感情、モラル、社会的価値など多元的な要素が含まれており、これは現時点ではAIで再現できないものだ。AIは教師にとって力強いツールやサポート役となるべきであって、取って代わるものではない」と見解を語った。