中国国家エネルギー局によると、2023年における中国国内のエネルギー関連投資が増加傾向を維持し、新エネルギー関連の実行ベース投資額は前年比34%以上増となった。新型エネルギー貯蔵の発展が急速で、エネルギー貯蔵設備の新設規模は約2260万キロワット(kW)/4870万キロワット時(kWh)、国内電力市場の電力取引量は7.9%増の5兆7000億kWhとなった。エネルギー分野の新たな発展が経済に活力を注ぎ、原動力を増加させている。
23年はエネルギー業界がエネルギー安全保障とグリーン・低炭素トランスフォーメーションを統一的に推進し、エネルギー投資の持つ牽引的役割を発揮させ、石炭、電力、石油、天然ガスのインフラ投資のポテンシャルを持続的に顕在化させ、新エネルギーと新業態のプロジェクトの急速な形成を推進した。中国国内で建設中または年内に着工予定のエネルギー重点プロジェクトの投資額(実行ベース、以下同)は約2兆8000億元(1元=約21円)で、成長率は前年比1.6ポイント向上した。
新エネ関連の投資を見ると、太陽光発電は投資額が6700億元を超え、雲南省、河北省、新疆ウイグル自治区における集中型太陽光発電の投資額は成長率がいずれも100%を超えた。風力発電の投資額は3800億元を上回り、遼寧省、甘粛省、新疆ウイグル自治区では投資ペースが加速し、広東省、山東省は新規の大型洋上風力発電プロジェクトへの投資が集中的に行われた。
エネルギー新業態への投資では、総合エネルギーへの投資額が急増した。西北地域の電源・電力網・負荷・エネルギー貯蔵一体化プロジェクトや、マルチエネルギー相互補完プロジェクトが推進された。新疆ウイグル自治区や甘粛省、湖南省、山東省、重慶市、広東省で電気化学的エネルギー貯蔵への投資が増加した。内モンゴル自治区と新疆ウイグル自治区では複数のグリーン水素プロジェクトが推進された。
国家エネルギー局の張星報道官は「23年は全国のエネルギー重点プロジェクト建設を積極的に推し進めた結果、全国のエネルギー関連投資の伸びが高水準を保った」と述べた。
同局エネルギー節約・科学技術装備司(局)の辺広琦副司長は「23年末現在、建設が完了した新型エネルギー貯蔵プロジェクトの稼働設備規模は累計3139万kW/6687万kWhで、平均エネルギー貯蔵時間は2.1時間だった。投資規模を見ると、第14次五カ年計画(2021-25年)以降、新たに設置された新型エネルギー貯蔵設備が1000億元を超える経済投資を推進し、産業チェーンの川上から川下に至る発展をもたらし、経済発展における『新たな原動力』になった」と説明した。
辺氏は「技術的には、新型エネルギー貯蔵の新技術が次々と登場している。リチウムイオン電池によるエネルギー貯蔵が主導的地位を占め、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)、フロー電池エネルギー貯蔵、フライホイールを利用したエネルギー貯蔵などの技術が発展した。複数の300メガワット(MW)級圧縮空気エネルギー貯蔵プロジェクト、100MW級フロー電池エネルギー貯蔵プロジェクト、MW級フライホイール利用のエネルギー貯蔵プロジェクトの建設工事が始まり、重力蓄電、液化空気エネルギー貯蔵(LAES)、二酸化炭素(CO2)を利用したエネルギー貯蔵などの新技術が応用され、全体的に発展が多様化した」と語った。