中国黒竜江省生態地質調査研究院の馬永法教授率いる研究チームが実施した松遼盆地林甸地区深部塩水層CO2(二酸化炭素)地中貯留プロジェクトで段階的な進展があった。同院が初めて行った深部砂岩塩水層CO2-水混合溶解注入試験により、深部塩水層へのCO2地中貯留が適していることが証明された。また、単一井への注入流量は毎時24.3立方メートルを上回った。科技日報が伝えた。
化石エネルギーからの脱却が完全にできない現在、CO2の回収・有効利用・貯留(CCUS)技術がカーボンニュートラルにおいて不可欠となっており、パリ協定の温室効果ガス削減目標と中国のカーボンニュートラル目標を達成するための重要な手段とされている。
炭素の削減・制御における科学技術イノベーションのサポート的・牽引的役割を強化するため、黒竜江省地質鉱産局は今回のプロジェクトを計画し、黒竜江省生態地質調査研究院が実施した。
今回の研究範囲の理論上の貯留量は478億9100万トンで、有効貯留量は11億4900万トンだった。
馬氏は「深部塩水層CO2地中貯留技術の成熟に伴い、深部塩水層がCO2貯留の貯蔵庫へと変わる。これらの貯蔵庫は安定的な地質的特徴と貯留能力を持ち、CO2を長期的かつ安全に貯留し、排出と環境汚染を減らすことができる」と説明した。