2024年02月05日-02月09日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年02月05日-02月09日 >  BMI技術を四肢麻痺患者のリハビリに活用

BMI技術を四肢麻痺患者のリハビリに活用

2024年02月08日

 ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術により、脳波による動きの制御が可能になる。中国の首都医科大学宣武医院の趙国光教授のチームと清華大学医学院の洪波教授のチームはこのほど「植え込み式硬膜外電極BMIにより、四肢麻痺患者が自分で水を飲むなどの脳の制御機能を実現した。把握精度は90%を超えた」と発表した。新華社が伝えた。

 患者は交通事故により頸椎の脊髄が損傷し、四肢麻痺の状態となった。2023年10月24日に趙氏と洪氏のチームはこの患者に対し、ワイヤレス低侵襲植え込み式BMIの臨床植え込み試験を行った。硬貨ほどの大きさのBMIプロセッサー2台を神経外科医の操作により四肢麻痺患者の頭蓋骨内に植え込み、感覚運動野の頭蓋骨内脳信号の受信に成功した。

 この患者は自宅における3カ月のリハビリを経て、脳波によって空気圧手袋を操作し、自分で水を飲むなどの脳の制御機能を実現した。把握精度は90%を超え、患者の脊髄損傷臨床評価スコアと感覚誘発の電位反応がいずれも改善した。

 プロジェクトはワイヤレス低侵襲の面で2つの進展があった。1つ目は、頭蓋骨内信号の質を保証しながら、神経組織を直接的に破壊しないこと。もう1つは、NFC給電と信号伝送を採用しており、頭蓋骨内に植え込まれた体内デバイスに電池を使う必要がないことだ。

 2例目の患者への植え込みは2023年12月19日、首都医科大学附属北京天壇医院で成功し、正常に信号の受信ができた。患者は現在、自宅でリハビリに励んでいる。このワイヤレス低侵襲BMIの臨床試験は2023年4月と5月に宣武医院と天壇医院での倫理審査にそれぞれ合格し、植え込み医療機器の臨床試験登録が行われた。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る