2024年02月05日-02月09日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年02月05日-02月09日 >  成長著しい商用宇宙活動

成長著しい商用宇宙活動

2024年02月09日

 商業宇宙活動は技術的比重が高く、イノベーションによる駆動の要素が豊富であり、この分野では多くの破壊的技術が登場し、科学技術イノベーションが行われている。人民網が伝えた。

 衛星、ロケット、打ち上げ場は宇宙航空産業を構成するハードウェアだが、商用宇宙活動の産業チェーンはこれだけにとどまらない。中国の社会・経済発展に伴い、商用衛星サービスに対する各業界・各分野のニーズも絶えず拡大している。

 2023年11月、商用衛星「涪城1号」が四川省綿陽市涪城区のために1枚の衛星写真を撮影した。区の運営チームはこの写真を利用して区内の中心市街地の建築物とビルの沈下に関するリスクポイント21カ所を発見した。

 23年末、同区は第三者認証機関と衛星モニタリング技術者とともに、21カ所について現場で確認を行った。これは同区が衛星リモートセンシング技術を建築物の安全モニタリングに応用した初の試みとなった。今後はこれに類似した衛星の応用シーンが、人々の生活でたびたび見られるようになると予想されている。

 中国ではここ数年、商用宇宙活動がものすごい勢いで発展し、23年だけで衛星270基が打ち上げられ、うち137基は商用衛星だった。専門家は「今後5年で、軌道を周回する中国の商用衛星は1200基を超えるだろう」と分析する。

 商業宇宙活動のイノベーション推進に伴い、その応用シーンは国土調査や水利・治水、林業、農業、電力、緊急管理、環境保護、海洋、気象、スマートシティ建設など、数多くの分野に及ぶようになった。

 商用宇宙活動の発展という重要なチャンスを着実につかむため、北京市、西安市、深圳市、上海市、武漢市、寧波市などの各地が、商用宇宙活動の発展促進に関する行動計画や関連政策を次々と打ち出し、宇宙航空の全産業チェーンにおける事業展開を加速させている。

「北京市未来産業イノベーション発展促進実施案」「2023年河南省衛星・応用産業発展活動案」「2023年成都市衛星インターネット・衛星応用産業のエコ構築・チェーン強化活動要点」などは、どれも商用宇宙活動産業に関する実施計画だ。最近は上海市が「上海市の商用宇宙活動の発展を促進し宇宙情報産業の先進地を構築するための行動計画(2023-25年)」を発表して、25年までにロケット、衛星、地上ステーションから端末に至るフルカバーの産業チェーンを構築することを打ち出した。

 商用宇宙活動は巨大なブルーオーシャン市場だ。23~28年は中国の商用宇宙活動産業の発展における黄金期とみられており、シンクタンクの泰伯智庫は「25年に中国の商用宇宙活動の市場規模は2兆8000億元(1元=約21円)に達する」と予測している。低コスト、小型化、機能一体化の衛星が新たな発展傾向となる中で、商用宇宙活動は生産力のレベルの飛躍的向上をもたらし、巨大な衛星網の構築と応用が新たな成長の極を形成し、次世代情報技術、先端製造、新エネルギー、新材料などの発展をもたらすことになる。

 技術の絶え間ない進歩とコストの段階的な低下により、商用宇宙活動は私たちの生産や生活により多くの利便性と幸福をもたらし、人類が宇宙を探索し宇宙の夢を実現するために、より多くのチャンスと可能性を提供するだろう。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る