復旦大学の繊維電子材料・器件研究院、高分子科学系、先進材料実験室などの研究者がこのほど、新型カルシウム-酸素電池の開発に成功した。同電池は室温条件で電気化学的な充放電が可能で、安定的に700回のサイクルを繰り返すことができ、安全性や低コストの面で優位性を示している。関連成果はこのほど学術誌「ネイチャー」にオンライン掲載された。光明日報が伝えた。
カルシウム金属は酸化還元電位が低く多価であるといった特徴がある。中国には豊富なカルシウム資源があり、これと結び付けることで、金属カルシウムの電池システムは将来のエネルギー応用において明るい見通しを持つ。このうち、カルシウム-酸素電池は最高の理論エネルギー密度を持つが、これまでは室温での安定的な充放電が実現していなかった。
カルシウム-酸素電池は主に金属カルシウム負極、カーボンナノチューブ空気正極、有機電解質の3つの部分で構成される。この電池の設計は性能とコストを最適化するだけでなく、環境の持続可能性とフレキシブル電子デバイスにおける応用の需要も両立させている。金属カルシウム負極は低コストで理論容量も大きいため、電池全体に高いエネルギー密度を持たせるのに役立つとされる。