2024年02月26日-02月29日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年02月26日-02月29日 >  列車の融氷・除雪作業、「新たなツール」で時間が大幅に短縮

列車の融氷・除雪作業、「新たなツール」で時間が大幅に短縮

2024年02月27日

 中国北方地域の寒冷地では、雪が降ると高速鉄道のレール上の雪が列車の台車に巻き込まれて氷殻を作りやすくなる。剥がれ落ちた氷塊は車両の底部と線路側の信号設備を傷つける恐れがあり、高速列車の融氷・除雪作業は冬の安全運行を守る最重要作業となっている。中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルが伝えた。

 高速列車の融氷・除雪作業は以前、主に点検要員が除雪棒やゴムハンマーなどを使って行っていた。8両編成の高速列車の場合、16人で4時間かかっていたが、今では寒冷地仕様高速列車の点検庫で、整備士たちが高圧ガンを使って作業している。これにより高速列車1編成当たりの融氷・除雪作業時間はわずか40分しかかからなくなった。

 列車底部の点検作業はこれまで、非常に頭を悩ませる問題だった。高さが40~50cmしかないため、人が底部に潜り込んで点検を行うには一定の危険性と限界があり、作業に2時間以上かかっていた。しかし、ハルビン高速列車区間点検庫の整備士たちは今年、初めて列車底部作業スマートロボット「リットルタンク」を使い、この難題を解決した。

「リットルタンク」は制御やナビゲーション、動画撮影、伝送の技術が集積しており、赤外線・高画質の2種類のカメラを搭載。高速列車底部の重要箇所の温度を迅速に点検し、台車部品や底板、ボルトなどの画像情報を収集し、高速列車の安全に向け、科学的で的確な技術情報を提供している。

 寒冷地では、機関車が長時間にわたり屋外で停車すると、オイル・水パイプが凍結して詰まりが発生し、機関車が使用できなくなるため、正常な運行に影響が生じる。この問題を回避するため、機関車が屋外で停止している間、ディーゼルエンジンの水温が20℃を下回ると、人手で保温作業を行うことが定められている。そのため、作業員は2時間ごとに機関車を起動させる必要があり、一回の夜勤の間、極寒の中で何度も乗り降りし、約40両の点検を行わなければならなかった。

 だが今では、彼らはディーゼル機関車保温作業の重要データモニタリング設備を開発。機関車の燃料と水の温度が作業標準温度を下回ると、システムがいち早く保温作業者に乗車を促す。保温作業者は外に出なくても機関車の各種パラメータをチェックし、遠隔で指揮できるようになった。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます

中国科学技術ニュース 2024年02月

サイエンスポータルチャイナ事務局が、中国の科学技術に関するニュース記事を人民網と共同通信の記事より選んで、日々届くフレッシュなニュースとしてお届けしています。

下記よりご覧ください。

共同通信提供月別バックナンバーリスト

 

人気記事


 
 
APRC運営ウェブサイト


中国関連ニュース 関連リンク