中国の全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告に登場したキーワード「AI(人工知能)+行動」が、中国で熱い議論を巻き起こしている。「AI+」が政府活動報告に盛り込まれたのは今回が初めてで、中国政府はこの行動でどのようなメッセージを発信しようとしているのだろうか。中央テレビニュースが伝えた。
政府活動報告では、「科学技術イノベーションの新たなブレイクスルーの実現」に言及した際、「重要コア技術の研究開発が豊かな成果を上げた」と評価し、「AIや量子技術など先端分野のイノベーション成果が絶えず出現した」と強調した。さらに「現代化産業体系の構築推進に大いに注力し、新たな質の生産力の発展を加速させる」と述べた際に、ビッグデータやAIなどの研究開発・応用を深化させ、「AI+行動」を展開し、国際的競争力を持つデジタル産業クラスターを構築するとした。
中国信息通信研究院人工智能研究センターの魏凱常務副主任は、「われわれはすでにこの段階に到達している。少し前に各業界のデジタル化を推進したが、次はスマート化の段階となる。AI+は現状にふさわしく、今回のタイミングは非常に良い」と指摘した。
中国ではAIの力強い発展が各業界に全く新しい活力を与え、企業や個人に対して新たな発展のチャンスをもたらしている。工業・情報化部(省)賽迪研究院のデータによると、2023年における企業の生成AI採用率は15%に達し、市場規模は約14兆4000億元(1元=約20円)となった。専門家は、生成AIが35年に世界で90兆元近くの経済価値を創出し、うち中国では30兆元以上になると予測している。

画像は人民網日本語版(CCTV提供)より