「自宅に入るとヒューマノイドロボットが直ちに起動し、家の隅々を自動でチェックする。喉が渇いた時は音声で指示を出すだけで、ロボットが家族の習慣に合わせて操作を速やかに行う。もし子供の喉が渇いたのであれば、ロボットはキッチンの冷蔵庫を開きコーラを取り出し、高齢者であれば、お湯を持ってくる......」。成都睿楽達ロボット科技の張睿睿董事長が口にした、こうした「SF映画のシーン」が間もなく実現するとは誰が想像しただろうか。成都日報が伝えた。
2024年の政府活動報告は「現代化産業体系の構築に注力し、新たな質の生産力の発展を急ぐ」と打ち出した。デジタル経済イノベーション発展の推進では、ビッグデータや人工知能(AI)などの研究開発・応用を深め、「AI+」行動を実行し、国際的競争力を持つデジタル産業クラスターを構築するとあった。
2017年にAIが初めて政府活動報告に盛り込まれ、今年はさらに「AI+」行動を実施するとされた。AIはこれまでの政府活動報告でホットなキーワードだった。
全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)の開会前に、四川省AI重要科学技術特別プロジェクト第1弾の発足式が同省成都市で行われ、四川省AI重要科学技術特別プロジェクト第1弾の申請ガイドラインが発表された。筆頭機関が科学技術庁と協定を締結し、第1弾となる7件のプロジェクトが始動した。
成都ヒューマノイドロボットイノベーションセンター(計画中)や成都睿楽達ロボット科技などの機関が筆頭となり、「ヒューマノイドロボット機関技術研究開発・応用実証」を担当した。張氏は「同プロジェクトは、高度なスマート化と自主化の能力を持つヒューマノイドロボットを研究開発することで、家庭、介護、特殊分野の需要を満たす」と述べた。
張氏によると、同プロジェクトはマンマシンインタラクション技術の研究開発を中核とし、ヒューマノイドロボットの「大脳」「小脳」「肢体」、そして家庭や個人サービス向けの車輪型および歩行型のヒューマノイドロボットを開発する。製品・技術は社会サービスの典型的なシーンに応用される。
「ロボット執事によるサービス」という「未来の暮らし」はいつ現実になるのだろうか。張氏は、「ヒューマノイドロボットは5年ほどで量産化・販売され、一般家庭に普及する」と見通しを語った。
成都市ではAI技術と産業が勢いよく発展している。データによると、成都は22年にAI産業の成長率が全国トップに、産業総合実力が全国6位になり、西部地域初の国家次世代AIイノベーション発展試験エリアと国家AIイノベーション応用先導エリアになった。23年現在、市内にはAI企業が計852社あり、産業規模は780億元(1元=約20円)以上に達し、成長率は26%を超えている。
第31回FISUワールドユニバーシティゲームズ(成都ユニバ)に登場した表彰式コンパニオンロボット「蓉宝」。(資料写真)