中国雲南省にある中国南方電網雲南保山220キロボルト(kV)大寨変電所でこのほど、スマート点検が初めて行われた。人民日報海外版が伝えた。
カメラ109台が高速回転し、10セットのオンラインモニタリングシステムがデータ収集を開始する。ドローンが飛び立って作業エリアに向かい、ロボットがドアから出て作業を開始する。数分後、点検作業が完了し、システムにより総合点検報告が自動生成された。
雲南省にある変電所のうち621カ所では、人工知能(AI)技術を応用し、人手による作業から、カメラやドローン、ロボットなどの設備への置き換えが行われている。これまで5時間かかっていた一連の点検作業が、これにより5分足らずで行えるようになった。これらの変電所は雲南省内16州・市の標高500~3000メートルの地域に分布し、35kV以上の各電圧レベルをカバーしている。
スマート化運用メンテナンスの実現後、3月までの作業で、変電所への出入り回数を累計2万8000回減らし、人的資源8万9000人分、作業時間27万時間分、車両走行距離140万キロ、支出1億8000万元(1元=約21円)を削減する。
雲南省は中国の「西電東送」(西部地域で発電した電力を東部地域に送電すること)戦略における重要なエネルギー拠点だ。雲南電網公司はここ数年、変電所におけるAI点検の技術的応用を進めており、設備状態のモニタリングや遠隔点検などの取り組みを推進している。