中国国家航天局によると、20日午前8時31分(日本時間9時31分)、月探査4期の嫦娥7号中継衛星「鵲橋2号」がキャリアロケット「長征8号遥3」によって、文昌航天発射場から打ち上げられた。鵲橋2号は月探査4期の後続プロジェクトの重要な一環として、地球と月に新たな「カササギの橋」を懸け、嫦娥4号や嫦娥6号などのミッションにおいて地球・月間の中継通信を提供する。人民網が伝えた。
月が常に同じ面を地球に向けていることから、月の裏側への探査機の着陸は月そのものによって遮られ、地球との計測制御・通信やデータ伝送を直接行うことができない。一方、月探査4期では着陸探査やサンプリングの地点が主に月の南極と月の裏側に位置するため、より多くの機能とより優れた性能を持つ中継衛星によって、月から地球に向けた新たな「中継通信局」を設置し、月の裏側にある探査機と地球との間の通信やデータ伝送の問題を解決する必要がある。そこで研究者は現在稼働中の嫦娥4号、そして間もなく実施する嫦娥6号、7号、8号及びその後の国内外月探査ミッションなどに中継通信サービスを提供するため、鵲橋2号の研究開発を行った。
鵲橋2号は2018年に打ち上げられた嫦娥4号の中継衛星「鵲橋」と比べ、技術イノベーションと技術状態がより進歩し、機能が優れており、接続も複雑になった。また、複数の科学ペイロードを搭載し、科学探査の実施も予定されている。
月探査4期は21年12月に承認されたもので、嫦娥4号、6号、7号、8号の4回のミッションで構成される。嫦娥4号は2018年12月に打ち上げられ、世界初の月裏側軟着陸・探査を実現した。嫦娥6号は24年上半期に打ち上げられる。嫦娥7号と8号は月科学研究ステーションの基本形を構築し、月の環境探査などのミッションを実施する。