2024年04月01日-04月05日
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「AIは5年以内に映像・音声のチューリングテストに合格」中国工程院院士が予測

2024年04月03日

 中国工程院院士(アカデミー会員)で、清華大学スマート産業研究院院長の張亜勤氏は3月27日、ボアオ・アジアフォーラム2024年年次総会の「AIGCで世界が変わる」サブフォーラムで、「人工知能(AI)は5年以内に、映像・音声面のチューリングテストに合格し、5年後には生物界のチューリングテストに合格する可能性がある」と述べた。中国新聞網が伝えた。

 張氏は、「ChatGPTが登場した頃、私はテキストによる対話方法がチューリングテストを突破したと感じた。GPT4はさらに良くなるだろう。このほど発表されたAIツールのSoraは動画生成分野の重要な節目と言えるが、まだチューリングテストを突破していない」と指摘した。そして、「AIは2~5年の間に画像、動画、映像・音声などのチューリングテストに合格する」と予測した。

 ロボットやドローンなどの技術の発展・応用に伴い、情報知能が徐々に物理世界とつながるようになっている。張氏は、物理世界のチューリングテストに最も早く合格するのは自動運転かもしれないと推測した上で、「世界各地で走行する1000台に上る自動運転車のデータを収集・分析した結果、現在の自動運転の安全性は人間による運転よりも何倍も高い」と指摘した。

 張氏はさらに、「生物学的知能は大規模言語モデル技術の発展方向の一つだ。これはすなわち、大規模言語モデルを人間の脳や生命体、生物の体内で利用して、情報知能や物理学的知能、生物学的知能を融合させることだ」と説明した。その上で、「AIは5年後に生物界のチューリングテストに合格するかもしれない」との見方を示した。

 
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