2024年04月01日-04月05日
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AIスマートロボが龍井茶の茶摘みを行う 浙江省杭州市

2024年04月03日

 清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月4日)を前に、浙江省杭州市の西湖エリアでは龍井(ロンジン)茶の茶摘みが始まり、人工知能(AI)による画像認識機能やロボットアームなどを備えたスマート茶摘みロボットが複数台「出動」して、新茶を摘んでいる。中国新聞網が伝えた。

 茶畑では、ロボットがアームを動かし、摘んだ茶葉を一時保存ボックスに入れていた。ロボットによる茶摘みは茶葉の切り取りと、吸い込んでボックスに送ることの2工程で構成される。アームの先端には小さなナイフがついており、位置情報に基づいて一芽一葉の葉柄を正確に見つけ出し、一回の切断で茶葉を枝から切り離す。するとアーム先端にある負圧ホースがカットされた茶葉を吸い込んで一時保存ボックスに送り込む。

 これは浙江理工大学農業用ロボット・設備イノベーションチームが約5年かけて開発した、茶葉の芽の状態を識別できるスマート茶摘みロボットだ。今年登場したのは6代目に当たる。

 昨年の5代目ロボットと比較すると、手の動きがかなり向上しており、それぞれの手が役割を担い、協力し合って茶摘み作業を終えられるようになっている。端末の設計でも大きな進歩があり、人の茶摘みの動作を完全にシミュレートして、正確で無駄のない茶摘みを実現している。

 人の茶摘みの動作をシミュレートすることは一見簡単そうだが、茶葉の中から一芽一葉の柔らかい芽を認識するには、茶摘みの作業員でも豊富な経験が必要となる。このロボットはAIの力を借りて、膨大な量の画像データの学習やビッグデータのアルゴリズムなどの技術を通じて、柔らかい芽の自動認識を実現するとともに、ロボットアームをコントロールして茶葉を正確に摘み取ることを可能にした。

 6代目スマート茶摘みロボは、5代目より作業効率が50%アップし、ロボット1台で1.5人分の働きをするという。

 
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