2024年04月01日-04月05日
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ボアオ・アジアフォーラム、専門家が「AI不安」への対応を提言

2024年04月04日

 人工知能(AI)の急激な発展に伴い、人々の「AI不安」が日増しに高まっている。ボアオ・アジアフォーラム2024年年次総会では、AIに関するサブフォーラムが複数行われ、中国内外の専門家がこの懸念に対応するための提言を行った。中国新聞社が伝えた。

 一般の人にとっての「AI不安」には、自分の仕事がAIに奪われるかどうかが含まれる。

 科大訊飛の劉聡副総裁は、将来の仕事の変化について、AIが人間に置き換わるのではなく、AIが存在することによって仕事の構造に変化が生じると指摘。「将来強くなるのはAIではなく、AIを把握した新しい人間だ」と述べ、企業も個人も積極的にAIを受け入れるべきだと提案した。

 小i集団董事局主席兼CEOの袁輝氏は「基盤となる技術を持つことができないなら、他の人よりも早くAIを活用すべきだ。各業界の従事者は、一歩先に進みたければ、他の人よりも早くAIを活用するべきだ。ためらってはいけない」と提案した。

 クアルコム中国エリアの孟樸董事長は「われわれが自ら作ったAIが完全に人間に置き換わるとはあまり考えられない。私はAIを使いこなす一部の人間が、他の人の利益を独占することを心配している」と述べ、関連技術の大規模で急速な普及をどうやって図るかに注目していると明らかにした。さらに、教育分野の垂直シーンの業界大規模言語モデルへの期待を示し、「AIを活用して、最新技術と最新の教育を農村にもたらすことで、すべての人にこの技術を理解させることができる」と訴えた。

 業界内にも「AI不安」の声がある。多くの専門家は計算能力とアルゴリズムの競争以外にも、AIがもたらす安全の脅威を懸念している。

 業界の専門家は昨年、2通の公開書簡を相次いで署名、発表し、最大のAIモデルの開発を6カ月停止するよう呼びかけ、AIが人類に「絶滅のリスク」をもたらす可能性があると警告した。カリフォルニア大学バークレー校のスチュワート・ラッセル教授(コンピューター科学)は、この懸念がポジティブな効果をもたらしたと指摘。各国の政府に対して、AIの監督管理の原則を検討するよう目を覚まさせ、一部の国はその後、関連する監督管理法規を策定したとし、「AI安全の中核的な問題は人類がいかに安全にそれと共存するかということであり、依然として明確な答えは出ていない」と述べた。

 フィンランドのエスコ・アホ元首相は「AIは人類史上初めて発明された危険なものではない。テクノロジーがもたらすリスクが分からなくても人間性を理解するべきだ。教育から着手し、将来の技術に対して、ある程度誘導し、制限することができる」と述べた。

 
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