中国科学院大連化学物理研究所エネルギー触媒変換全国重点実験室の陳忠偉室長率いる研究チームが開発した高比エネルギー水素ハイブリッド電源対応産業用ドローンがこのほど、テスト飛行に成功した。これにより、産業用ドローンの航続時間が短いという問題を効果的に解決することが期待される。新華社が伝えた。
現在の電動ドローンの主な動力電源はリチウム電池だが、リチウム電池には航続時間が短く、低温環境への適応性が低いなどの短所がある。それに比べ、水素ハイブリッド電源は比エネルギーと信頼性が高く、温度域が広いなどのメリットがあり、中型固定翼機や大型マルチローターによく使われており、産業用ドローンの航続時間が短いという問題を効果的に解決できる。
陳氏は「燃料電池とリチウム電池カップリング電源システムを開発した。これには比エネルギーが高く、航続距離が長く、温度域が広く、燃料の注入が速いという特徴がある。チームが開発した高比エネルギー水素ハイブリッド電源の比エネルギーは1000グラム当たり600ワット時(Wh)で、応用可能な環境温度はマイナス20℃からプラス40℃の範囲にある」と述べた。
陳氏は「チームは次世代水素ハイブリッド電源技術を持続的に開発している。高比出力スタック設計技術と高エネルギー密度水素源技術を結びつけ、動力電源の比エネルギーを1000グラム当たり800Wh以上にし、応用可能な環境の温度幅をマイナス40℃からプラス60℃までに拡大する」と説明した。