中国国家航天局月探査・宇宙飛行センターの関鋒主任は5日、「月探査機『嫦娥7号』や『嫦娥8号』に搭載する科学機器の募集にタイからの申請があり、『嫦娥7号』にタイの高等教育科学研究革新省と国立天文学研究所が共同開発した宇宙気象モニターを搭載することが決まった。同科学機器は宇宙電波や宇宙天気を月から観測できる」と語った。中国新聞社が報じた。
国際月面研究ステーション(ILRS)建設の進捗状況について、関氏は「中国は現在、月探査4期プロジェクトを実施している。その主な目標はILRSの基本モデルを構築することだ。その後のILRSのミッションについては現在、踏み込んだ論証が行われている。国際協力の面では、中国はすでに10以上の国や国際機関との協力協定書に調印した。さらに多くの国や国際機関が、中国と共に月面研究ステーションを構築するのを歓迎する」と述べた。
現在、複数の国がILRS建設に参加する意向を示している。関氏は「広大な宇宙を探索するというのは、全人類共通の夢だ。月探査を通じて、月の成り立ちや地球と月の関係といった科学的な問題の答えや、月の資源を利用できるのかについての答えを得ることができる。例えば、月のヘリウム3は採掘できるのか、月の土でも野菜は育つのかといった問題だ。現時点で、月探査は依然として、単発ミッションがメインだ。しかし、それらの答えを得るためには、将来的に、大規模で、周期の長い科学調査を月で展開することが必要となる。このことも中国が『ILRS』の共同建設構想を打ち出した理由の一つだ」と強調した。