2024年04月08日-04月12日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年04月08日-04月12日 >  青蔵高原生物遺伝資源バンクがほぼ完成

青蔵高原生物遺伝資源バンクがほぼ完成

2024年04月11日

 中国青海省科学技術庁によると、中国科学院西北高原生物研究所が主導する「青蔵高原(チベット高原)生物遺伝資源バンク」プロジェクトが、正式に検収に合格した。同プロジェクトは青蔵高原の生物遺伝資源の保護、鑑定・評価、共有・利用をサポートする。新華社が伝えた。

 同プロジェクトは、青海省科学技術庁高原生物技術イノベーション実用化センター建設プロジェクトを活用し、中国科学院西北高原生物研究所が建設を担当。サンプル管理、ゲノムシーケンス、データ分析、情報共有、復元・更新の5つの機能プラットフォームを構築する。自動化超低温保管庫、超低温長期保管庫、植物生体バンク、動物生体バンク、魚類資源バンク、薬効成分・化合物資源バンク、微生物バンクによって遺伝資源5万点以上を保存し、青蔵高原の遺伝資源保存能力を効果的に向上させる。

 中国科学院西北高原生物研究所の楊其恩副所長は「青蔵高原生物遺伝資源バンクの始動後、ユキヒョウやヒグマなど19種の三江源地域代表種の参照ゲノム解析を完了した。ユキヒョウや裂腹魚類など5種の動物群の進化の歴史と個体群動態の解析に成功し、青蔵高原動物ゲノムデータバンクを構築した」と説明した。

 青蔵高原生物遺伝資源バンクのデータバンクに現在収録されている動物ゲノムデータは10TB(テラバイト)を超えており、チベットヒツジやヤク、中医薬・チベット生薬などの高原野生動植物資源の開発、保護、応用を推進することになる。

 長江、黄河、瀾滄江(メコン川)の発源地である青海三江源地域は、世界の高標高生物多様性が最も集中している地域の一つであり、青蔵高原の重要な生態安全バリアと生物多様性の宝庫でもある。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る