2024年04月08日-04月12日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年04月08日-04月12日 >  郭守敬望遠鏡、最新のデータセットを公開

郭守敬望遠鏡、最新のデータセットを公開

2024年04月12日

 中国科学院国家天文台はこのほど、中国の天文学者や海外の協力者向けに、郭守敬望遠鏡(LAMOST)スペクトルDR11データセット1.0版を公開した。同データセットに含まれるスペクトルの総数は2512万本以上で、世界の他のスカイサーベイ望遠鏡がこれまで公開しているスペクトルの総数の2.2倍となる。北京日報が伝えた。

 郭守敬望遠鏡は2019年から現在までに公開したスペクトル数が1000万級に達した世界唯一のスペクトルスカイサーベイプロジェクトでもある。

 中国天文界初の国家重要科学技術インフラである郭守敬望遠鏡は、世界でスペクトル取得率が最も高い天文望遠鏡となっている。今回公開されたデータセットは2022年9月から23年6月のもので、その2512万本のスペクトルには1194万本の低分解能スペクトルと1318万本の中分解能スペクトルが含まれ、中には約1037万の恒星スペクトルパラメータカタログもある。

 郭守敬望遠鏡がこれまで公開した2000万級のスペクトル総数と1000万級の恒星パラメータカタログの数は、引き続き世界一を維持している。公開したスペクトルデータバンクは、銀河系の構造や形成・進化に関する体系的な研究をサポートしている。またコンパクト天体や恒星物理、太陽系外惑星の検出などの面でも一連の画期的な成果を上げている。

 中国や米国、ドイツ、ベルギー、デンマークなどの210の研究機関・大学の利用者1575人が現在、郭守敬望遠鏡のデータを利用して研究活動を行っている。同望遠鏡の科学成果に関する論文が年間200本以上発表されており、うち海外天文学者の科学論文が40%以上を占めている。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます
 

上へ戻る