2024年04月15日-04月19日
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中国第40次南極観測隊、青島に帰還

2024年04月16日

 中国自然資源部(省)が組織した中国第40次南極観測隊が10日、極地観測砕氷船「雪竜号」で山東青島奥帆拠点の埠頭に帰還した。これにより同観測は無事終了した。人民日報が伝えた。

 中国第40次南極観測は「雪竜号」「雪竜2号」「天恵号」の3隻のサポートにより実施された。観測隊は2023年11月1日に出発し、総航行距離は8万1000カイリ以上となった。

 観測隊のリーダーである張北辰氏は「観測隊は今回、長城基地、中山基地、崑崙基地、泰山基地、秦嶺基地の夏季調査・観測任務を順調に実施した。また、南極のコスモノート海、アムンゼン海、南極半島海域、プリッツ湾、ロス海で大洋調査や科学研究を行った。栄養レベル構造調査を通じ、目標海域のキーストーン種の基礎的な餌源とその栄養構造関係の探究に重要な科学的サポートを提供した」と説明した。

 中国が研究開発した近赤外線望遠鏡や移動式テラヘルツ望遠鏡システム、南極無人スマートエネルギーシステム、「雪豹2」極地特殊車両、無人スマート車両などの応用・テストが南極で実施され、テクノロジーによる極地観測支援の基礎水準が向上した。

 中国極地研究センターの劉順林主任は「主要建築物の鉄筋構造、機能モジュール、周辺保護システムの建設を含む秦嶺基地の主要建築物の建設は、今回の観測の重点的な活動だった。建設資材の総量は約9500トンで、同基地の完成は、南極の生態環境や気候変動の評価に基本的な支援を提供し、ロス海地域の自然の特徴を理解するための重要な保証を提供した」と説明した。

 今回の観測ではノルウェーやオーストラリアなどと協力し、南極研究科学委員会(SCAR)「サークル」計画エンダービーランド調査任務を実施した。科学観測の飛行距離は約7200キロ、飛行時間は約28時間、得られたデータは東南極沿岸の氷下地形に関する重要データの空白を埋めた。

 
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