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海洋掘削船「夢想号」、工事が新段階に

2024年04月18日

 中国が初めて独自に設計・建造する海洋掘削船「夢想号」は、昨年末に試験航行に成功し、現在は調整・内装工事の段階に入っており、年内の全面的完成を予定している。人民日報が伝えた。

 「夢想号」建設監督グループビジネスサブグループ実験室工学技術責任者の何清音氏は「磁気遮蔽室の設置は非常に重要だ。海洋掘削でサンプルを取得した後、鉱産物の地層貯蔵の年代を特定し、地球力学及び地質進化の過程などを探るために、磁場の干渉を遮蔽する実験室環境内で磁気実験を行う必要がある。実験室はすべて国産で世界トップレベルのパーマロイ遮蔽層を採用しており、外部からの磁気信号を99.8%遮蔽し、科学研究の実験環境を確保できる」と説明した。

 面積が世界最大規模の海上移動実験室となる「夢想号」の船内実験室には、150台(セット)以上の各種精密実験機器が設置される。すでに水や電気、ガス、風など12のシステムの設置作業が完了しており、間もなく実験機器の設置が行われる。

 中国地質調査局「夢想号」指揮部の主要責任者である周昶氏は「掘削は『夢想号』の最も重要な能力で、その目的は地球内部のコアを採取し、そこに含まれる地質情報を取得することで、地球深部の謎を解き明かすことだ」と説明した。

 同船は独自開発した船内コアスマート保管・輸送システムにより、船内でコアを自動輸送・保管でき、水揚げされたばかりのエビを冷凍庫に入れるように、サンプルの「鮮度」を保証できる。エネルギー貯蔵技術とクローズドループ電力網の応用により、180人の船員を満載した状況で、120日間の海上作業が可能となっている。

 
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中国科学技術ニュース 2024年04月

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