このほどオンラインで開かれた「南極科学観測ドローンテーマシンポジウム」によると、中国のドローン技術発展に伴い、南極内陸観測でもドローンが活躍するようになっている。新華社が伝えた。
このほど終了した中国第40次南極観測では、武漢大学や同済大学の複数の観測隊員がドローンやさまざまなセンサーを利用し、中山基地やグローブ山脈エリア、泰山基地、崑崙基地などでドローン観測飛行を行った。高分解能のオルソモデルは南極の地形や土地被覆を正しく反映し、現場での意思決定や作業の実施に重要な情報を提供した。
南極東部のプリンセス・エリザベス・ランドに位置するグローブ山脈は、中国が発見した「隕石の宝庫」だ。今回の南極観測のグローブ山観測では、ドローンを使って隕石の分布状況を識別する航空調査が注目点となった。観測隊員はさまざまな種類のドローンを使い、メイソン峰やハーディング山などのグローブ山脈主要エリアで航空観測を行った。むき出しの岩や積雪、氷のクレバスなどのデータを収集し、グローブ山脈の隕石分布や地形的特徴を研究するための貴重な資料を得た。
観測隊員は内陸観測の際に、危険な氷のクレバスを防ぐため、ドローンを使って氷の経路を探索し、氷のクレバスを観測した。観測結果に基づき速やかにリスクエリアを判断し、通行の効率と安全性を高めた。
武漢大学中国南極測量研究センター副主任の務める艾松濤教授は「ドローンはすでに中国の南極観測の標準スペックになっている。南極内陸観測の保証、航空測量、環境リモートセンシング、氷河・海氷モニタリングなどプロジェクトで、さらに重要な役割を果たすようになる」と語った。
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