中国農業科学院の研究チームはこのほど、新疆ウイグル自治区ホータン(和田)市の砂漠温室で、極早生稲の試験栽培に成功した。人民日報が伝えた。
同院都市農業研究所の王森研究員は「今回試験栽培されたのは同自治区の稲品種『新稲1号』で、今年2月に稲の苗を多層立体水耕栽培ケースに定植した。定植から収穫までわずか60日だった」と説明した。
中国の南・北方地域では稲の成長期間は平均120~150日だが、ホータンの砂漠温室の稲成長期間は、なぜこれほど大幅に短縮されたのだろうか。
2021年に中国農業科学院都市農業研究所の楊其長首席科学者の研究チームが四川省成都市の植物工場で稲成長期間の半減に成功した。これにより、四季を問わない、年間を通じた連続栽培の技術的進展を得た。
楊氏は「植物工場では稲作のコストが比較的高い。われわれは急速に成長し、コストを大幅に削減できる方法を模索してきた。ホータン地区には広大な砂漠があり、太陽光と熱資源が極めて豊富で、温室建設の土地と運用コストが低い。砂漠温室の条件下で作物を急成長させることができれば、コストを大幅に下げることができる」と語った。
研究チームはホータンの温室で土壌の代わりに養分が正確に配合された養液を使って栽培を実施。マルチスペクトルLED(発光ダイオード)光源と環境制御技術により、光と温度を制御した。2年以上の試験を経て、チームはついに砂漠温室の条件下で稲を急速に成長させるための重要技術を開発した。
稲の成長期間半減を実現した後、楊氏のチームはホータンの砂漠温室で、大豆やトウモロコシ、小麦、アブラナ、綿花、ムラサキウマゴヤシなどの急速成長に関する重要技術を模索している。
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