中国上海市では現在、飲料品の栄養レベル表示が試験的に行われている。飲料品に含まれる砂糖や飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、非糖質甘味料の含有量に基づき、総合的なレベルを表示する取り組みだ。試行事業がスタートしてから約2カ月が経過したが、その間、消費市場にはどんな変化があったのか。人民網が伝えた。
上海市内でこの「栄養レベル表示」を試験的に導入しているミルクティー店では、説明札やメニュー表のすべての飲料品の横に「A・B・C・D」という4段階のレベルが表示されている。Aが最も健康度が高く、順番に下がっていくのだが、この店では消費者の7割近くがAかBを選ぶという。この表示があることで、消費者に健康度がわかりやすくなり、業者側も健康的な飲食消費というトレンドの変化をよりリアルに感じることができる。
企業4社が参加した最初の試行事業に続き、上海市では5月13日から第2弾として10社が「栄養レベル表示」を試験的に導入した。
ミルクティーなどの「新しい茶飲料」は味が多様で、市場規模が拡大し続けている。中国チェーン経営協会新茶飲料委員会が美団新餐飲研究院と共同で発表したデータによると、「新しい茶飲料」の市場規模は2025年に2000億元(1元=約22円)を超える見込みだ。
上海市衛生健康委員会の指導の下、上海市疾病予防管理センターがこの「栄養レベル表示」を開発した。試行事業を展開し、茶飲料商品の健康成分をわかりやすく示したことで、消費者は各自のニーズを踏まえて自分に合った商品を選べるようになった。同センター栄養健康科の臧嘉捷主任は「A、Bレベルの飲料は、C、Dレベルの飲料に比べて、糖や脂肪の含有量が少ない」と説明した。
試行事業に対して消費者は、「ミルクティーを選ぶ時は味が大事なので、レベルは考えずにより甘いものを選ぶ。甘くなければおいしくない」という甘さ重視派や「ミルクティーは糖分を取り過ぎないように気を付けて選ぶ。砂糖の代用品を使用しているブランドもあり、そういうのを選ぶ」という健康重視派など、さまざまな反応を示している。
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