水素で走り、水蒸気だけを排出する鉄道車両がこのほど、中国吉林省長春市で完成した。同車両は最高時速160キロで、化石燃料や電気を使わず、二酸化炭素の排出がゼロとなっている。人民網が伝えた。
中車長客の整備工場に入ると、SFの世界に出て来るような、近未来感あふれる列車が目に飛び込んでくる。同社が開発した水素で走るこの列車の試験走行がこのほど、完了した。今回の試験走行は、鉄道交通分野において水素エネルギー応用が画期的な成果を収めたことを示している。
中車長客の設計部門責任者である尹航氏は「当社の技術は世界的最先端レベルと言える。水素で走る列車は、スピードが速く、輸送量が多く、安全でスマートという特徴があり、都市部を走る列車に求められる『高速運行可能、加速がスムーズ、制動距離が短い、乗客がスムーズに乗り降りできる、快適度が高い』という条件を満たしている。また、水素で走る列車には、クリーンで環境にやさしく、運営・メンテナンスが簡単で、製造期間が短いというメリットもある。多くのスマート最先端技術も採用されており、乗務員と乗客の快適度も高い」と説明した。
さらに「列車には『水素エネルギー+エネルギー貯蔵』動力システムと水素・電気混動エネルギーを管理できる制御システムが採用されており、その『ダブルシステム』と車両全体の制御が高度に連携し、エネルギーの利用効率が大幅に高まり、環境保護指数も高い。今後、貯蔵エネルギー電池の大きさが小さくなれば、列車の負担も軽減し、走行スピードはさらに速くなるだろう」と述べた。