2024年06月10日-06月14日
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厚さがコピー用紙ほどの超薄型スチールペーパー

2024年06月10日

 鉄鋼のように硬くて紙のように柔らかい。北京科技大学が発行したスチールペーパー製合格通知書が以前、ネット上で大きな話題となった。「セミの羽鋼」と呼ばれるこの「5Gスチール」は、厚さが一般的なコピー用紙に匹敵する。人民網が伝えた。

 生産した首鋼京唐公司の工場内では、セミの羽のように薄いスチールコイルが整然と積まれ、出荷を待っていた。合格通知書だけでなく、北京冬季五輪の絵はがきや辰年の切手、「国際お茶の日」の茶缶など......。「セミの羽鋼」とコラボしたクリエイティブ製品が増え続け、人々の「鉄鋼」に対する認識を覆し続けている。

 この薄い鋼材の開発と生産の背景には、複数の優れた技術が存在する。同社ブリキ板事業部の莫志英部長は「3年間の研究開発期間中、われわれは極限の打破に取り組んだ。『セミの羽鋼』の厚さを0.11ミリから0.07ミリに下げ、世界トップレベルに達した」と説明した。

「セミの羽鋼」は首鋼技術研究開発チームと北京科技大学のチームが共同で開発した超薄型5G用鋼で、主に5G基地局信号受信器や信号伝送フィルター、集積回路などに使用される。莫氏は「これは首鋼の鉄鋼製品のグリーン薄型発展の代表作の一つだ」と述べた。

 中国の鉄鋼業界はここ数年、「大規模なもの」から「強いもの」へと構造転換・高度化が進んでいる。既存の鉄鋼企業ではスマートトランスフォーメーションが急がれており、自動化設備やビッグデータ、人工知能などの技術を導入し、生産効率と製品の質を高めることにより、グリーンで現代的な産業体制の構築を加速させている。

北京科技大学
 
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