太陽エネルギーを利用した海水の淡水化は、低エネルギー消費による淡水生産方法で、経済の発展と人類の健康にとって極めて重要だ。だが、日照の不安定性や蒸発器に塩が蓄積するなどの問題は、海水淡水化の効率を制限しランニングコストを高める主な要因だった。こうした問題を解決するため、南通大学物理科学・技術学院の袁国秋氏、曹敏氏、王孟氏、張雷氏の研究チームはモジュール化された分割型自動脱塩海水淡水化装置を開発した。科技日報が伝えた。
同装置は相変化エネルギー貯蔵材料などにより、光熱変換と熱管理を最適化し、太陽光全スペクトルの効率的な光熱変換を実現した。相変化材料を応用することで、日照がない時間の熱エネルギーの損失を効果的に減らし、温度調整水供給設計により、海水の蒸発側における気化効率を高めており、自動洗浄脱塩機能も備えている。
同装置は屋外での実際の使用において、効率的で安定的な淡水生産能力を示した。今回の研究は無人島や遠洋漁業などにおける淡水の獲得に新たなソリューションを提供した。また、モジュール化設計により、蒸発側のカスタマイズが可能で、捺染を含む水を大量に使用する業界で汚水処理と再利用が可能になる。このイノベーションは世界の淡水資源の持続可能な利用と環境保護にとって新たな道を切り開いた。