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深圳市に作られた現代的な合成生物研究施設

2024年06月27日

 中国広東省深圳市の光明生命科学パークには、合成生物研究重要科学技術インフラがある。求是網が伝えた。

 中国科学院深圳先進技術研究院の劉陳立副院長は「傷口を修復する『生きた接着剤』や薬品の使用を補助するスクアレンなどの原料は現在、細胞工場で生産できるようになった。これが合成バイオ技術だ。『生きた接着剤』を例にすると、これは材料合成生物学分野の成果だ。その主要原料の一つはイガイ接着タンパク質で、以前であれば1グラムを得るために1万匹のイガイが必要だった。生産が複雑で生産性が低かったが、現在は遺伝子組換え後の細菌を利用し、1トンの発酵タンクを使うことで、2日間で2000グラムを得ることができる」と説明した。

 現在、バイオものづくりは全く新しい「モノづくり」技術として、新たな質の生産力の競争の場とされており、関係者が競って進出する科学技術の先端分野となっている。

 深圳市光明区に位置する光明生命科学パークは、建築面積は23万平方メートル。合成生物研究重要インフラはその中にある。建物では、ガラスで隔てられた自動化機能アイランドエリアが統合的に配置され、研究者がオーダーするだけで、スマートロボットが必要な資材を自動化機能アイランドエリアに運ぶ。ロボットアームが事前の設定に従って素早く動くなど、プロセス全体がスムーズかつ効率的で、人の手を必要としない。

 深圳先進技術研究院合成生物学研究所の袁海副所長は「重要インフラは昨年11月に試運転を開始した。先進的な自動化工学技術を核酸合成やゲノム編集などのバイオテクノロジーと結びつけ、人工生命体の迅速かつ低コストな合成を実現した。これはスマートな『バイオファウンドリ工場』に相当する」と説明した。

 袁氏はさらに「重要インフラは今後、世界のイノベーション要素を深圳に引き寄せるだろう。ユーザーの『クラウド実験室』と運営者の『スマート実験室』の2つを一体化した合成生物研究プラットフォームを構築し、これを学術界や産業界、さらには世界に向けて開放する。ここは将来、世界の合成生物資源を引き寄せ、世界をリードするスマート化生命システム設計・製造プラットフォームになり、全国の合成生物学研究に力強いサポートを提供する」と述べた。

 
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