中国上海市の地下鉄漢中路駅では、「5G-A」の導入によって、乗客らのスマートフォンのインターネット回線速度が速くなっていた。中国新聞網が伝えた。
5G-Aは「5Gアドバンス」や「5.5G」などと呼ばれる、5Gの進化形・増強バージョンだ。
中国では現在、低空域飛行活動による経済形態「低空経済」が非常に活発化している。上海市郊外にある華東ドローン拠点では、5G-Aの通信と感知を一体化する技術により、地域内にあるドローンの地理座標や速度などのデータが直接収集できるようになった。これまでドローン運営企業はこうしたデータをドローンからの送信によって集めるしかなかった。
上海市郊外にある工業用倉庫では、2~3千ロールの鋼板コイルが整然と積み上げられていた。上海欧冶金誠信息服務で製品開発ディレクターを務める余洪明氏によると、一般的な鋼板コイルの価格が1ロール数万元(1元=約22円)で、高価な鋼板コイルの価格は小型車1台に相当するため、鋼板コイルの遠隔リアルタイム監視が非常に重要だという。
余氏は「金融機関はずっと融資に慎重な態度を取っていた。というのも、担保となる動産の監督管理が難しかったからだ。現在は5G-A関連技術を通じて、担保となる鋼板コイルの状況をリアルタイムで把握できる。この応用は試行段階だが、今後応用が拡大されると、コストはさらに低下するだろう」と語った。
「上海市の新型インフラ建設をさらに推進する行動プラン(2023-2026年)」によると、同市は、5G-Aとギガビット級光ネットワークをシンボルとしたグローバルダブルギガビット都市の建設を26年末までにほぼ完了する計画だ。