中国の遼寧省・山東省海域でこのほど、5Gネットワークの使用が始まった。これにより、中国で初めて5Gネットワークの大規模海上カバーが実現した。同航路を利用する乗客は今後、船内でスマートフォンを利用できるようになる。中国新聞網が伝えた。
大連市から煙台市までの航路をはじめとする遼寧・山東航路の航行距離は150キロを超えており、遼東半島と山東半島を結ぶ旅客・貨物輸送の黄金航路となっている。約7時間の船旅にはこれまで、通信の「死角」が存在しており、安全管理や船舶運営、旅客利便性の面で課題があった。
中国交通運輸部（省）北海航海保障センターはここ数年、山東省や遼寧省の海事機関、山東移動や遼寧移動などの移動通信事業者と共同で、基地局補完とネットワーク最適化を進めており、5G技術を利用した遼寧・山東航路海域の全域カバーを実現した。
同海域におけるネットワークカバー面積は2万平方キロを超え、航行の安全水準を大幅に高めている。これにより、毎年延べ27万6000隻の船舶と400万人以上の旅客が恩恵を受けると見込まれている。
北海航海保障センターでは今後、天津市、遼寧省、河北省、山東省の海事機関や関連地域の移動通信事業者と協力し、渤海海域のネットワークフルカバー実現を目指すとしている。