中国江西省新余市にある中国宝武鋼鉄集団有限公司新余鋼鉄集団(以下、「新余鋼鉄」)が開発した「セミの羽」のような薄い鉄鋼シートは、手で軽く引っ張るだけで破ることができる。人民網が伝えた。
鉄鋼を手で破るには薄さがポイントになる。新余鋼鉄ケイ素鋼薄板事業部の欧陽帆副部長は「手で破れる鉄鋼シートは厚さわずか0.08ミリメートルで、一般的なA4サイズの紙1枚ほどの厚さで世界で最も薄い無方向性電磁鋼板となっている」と説明した。
鋼板をここまで薄くした理由は何か。超薄型仕様の電磁鋼板シリーズは、電気機械製品に求められる高い出力密度、高い耐久性、高い回転速度のニーズに応える材料であり、先端医療やドローン、新エネルギー自動車など多くの重要分野で幅広く応用されている。
これまで新余鋼鉄は0.5ミリの電磁鋼板を圧延する際は、海外の専門家の指導を仰がなければならなかった。欧陽氏は「ここ数年、当社は圧延工程、焼きなまし工程、新型材料の開発で数々の模索を行い、多くの技術的難題を解決し、鋼板の厚さが0.15ミリから0.1ミリになり、さらに0.08ミリになった」と振り返った。