人工知能(AI)などの技術の進歩に伴い、ロボットバリスタが淹れるコーヒーのクオリティも大幅に向上している。中国新聞網が伝えた。
上海氦豚機器人科技が開発した敷地面積2.35平方メートルの「COFE+ロボット」のロボットバリスタは、約50秒でコーヒー1杯を淹れることができ、しかも同時に5杯淹れることができる。カフェラテやカプチーノ、キャラメルマキアート、カフェオレなど、さまざまなコーヒーも提供することができる。
中国移動咪咕公司が提携パートナーと共同で開発したAIロボットバリスタは、コーヒー豆を取り出して挽き、少し蒸らしてからドリップし、最後に洗浄するまでの全作業を自動で行う。ドリップコーヒー1杯を淹れるのにかかる時間は4分で、1日に300杯のドリップコーヒーを淹れることができる。
遨博(山東)智能機器人が製造したロボットバリスタは、コーヒー豆を挽き、フィルターに入れて湯を注ぎ、抽出して表面にラテアートを施すまでを75秒で行う。
中国移動咪咕公司の関係者は「AIロボットバリスタは百万データ級のビジュアルトレーニング(障害物監視、コーヒー豆の挽き具合の識別)、3万時間のロボットアームの『トレーニング』、3000時間のAIラーニングなどを経て、トップレベルのバリスタが淹れるドリップコーヒーの動作を再現しており、安定してコーヒーを淹れることができる」と説明した。
そして「人間がコーヒーを淹れる通常のカフェは、人件費や家賃などのコストが高く、サービスや商品、時間、質などが一定でないため、実店舗の経営を維持するのが非常に難しく、資金もかかる。一方、無人カフェのモデルは、従来のカフェが持つさまざまなデメリットがなく、低コストと少ないエネルギー消費で、質の高いコーヒーを提供できるという大きな強みを持つ」と語った。
人型ロボットが急速に発展しているが、近い将来、人型ロボットバリスタが登場することになるのだろうか?
上海氦豚機器人科技の設立者である韓非子氏は「人型ロボットは依然として発展の初期段階にある。そのため、10年以内に人型ロボットがコーヒーを淹れる姿を見ることができるかもしれない。しかし、それが人間のようなサービスを提供できるようになるには、さらに10年以上の時が必要だろう」と自らの見解を述べた。
一方、中国食品産業のアナリスト、朱丹蓬氏は「わたしたちがコーヒーを飲む場合、実はドリップコーヒーを淹れてくれる過程を楽しんでいる場合が多い。その過程において、バリスタの腕前を楽しむ満足感も得ている。しかしロボットバリスタが淹れるコーヒーの場合、そうした満足感を得ることはできないだろう」と述べた。
そして「コーヒーの淹れ方は、相対的にフロー化、標準化されているため、ロボットバリスタがコーヒーを淹れることは可能だろう。だが、資本や業界、顧客などの観点で総合的に見た場合、ロボットバリスタ店舗の実行可能性は決して高いとは言えない」と指摘した。