2024年07月22日-07月26日
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「デジタルツイン応用技術者」という新たな職業

2024年07月22日

 中国天津市浜海新区国家アニメパークの大型モーションキャプチャスタジオでは、モーションキャプチャスーツを着た馬鑫琪さんが、数十台の高画質赤外線カメラに囲まれて、さまざまな動作を行っていた。スタジオのパソコンには、馬さんと同じ動作をするバーチャルキャラクターが映し出されていた。新華社が伝えた。

 国家アニメパークのモーションキャプチャスタジオの技術顧問である崔盛輯さんは「これは、デジタルツイン技術を活用した光学式モーションキャプチャだ。スタジオ内の赤外線カメラが、馬さんに貼り付けられたマーカーの位置を捉え、ミリ秒の精度でそのモーションを算出し、データをパソコンに送信してデジタル化すると、バーチャルキャラクターが同じ動きをする」と説明した。

 中国人的資源・社会保障部(省)が発表した「新職業」には、「デジタルツイン応用技術者」も名を連ねた。「85後(1985~89年生まれ)」の崔さんはこの「デジタルツイン応用技術者」だ。デジタル技術関連の仕事をして約10年になり、今では自身のスタジオを立ち上げている。デジタルツイン技術を活用して、映画やドラマ、アニメ、没入型文化観光、生命科学などの分野の応用シーンを作り出すのがその仕事で、チームメンバーには、初期のモーションを生成するモーションキャプチャアクターのほか、データを収集するモーションキャプチャ専門家、ポストプロダクション段階でデータ補正をするデータ補正専門家などがいて、1つのデジタルツインプロジェクトを完了するには、さまざまなメンバーが密接に連携する必要があるという。

 崔さんのチームはこのほど、天津市浜海新区の太極拳協会と協力して、太極拳の動きのデータを残すプロジェクトも実施した。

 崔さんは「デジタルツイン技術を活用すれば、このような無形文化遺産を永久保存することができる。この技術は現実とデジタル世界をつなぐことができ、いろんな問題を効果的に解決できるので、前途は明るい」と語った。

 
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