ドローン操縦士、農村の若者に人気の職業に
2024年07月18日
農繁期を迎えた中国重慶市合川区の田んぼで、喩信さん（38）は空に浮かぶドローンをじっと見つめていた。喩さんが操作すると、ドローンは肥料を農地に均等に撒いた。工人日報が伝えた。
スマート農業の普及に伴い、1980～90年代生まれの農家がドローンの操縦士になり、ドローンを使って播種や施肥、農薬散布などの作業を行っている。市場のニーズが旺盛で、明るい発展の見通しを持つドローン操縦士はすでに農村の若者の間で人気の新職業となっている。
合川区の農村出身の喩さんは1年前、ドローンの発展のチャンスに目をつけ、農業用ドローンの操縦士になった。
夏の農繁期は、喩さんにとって1年で最も忙しい時期でもある。喩さんは今回、竜市鎮の農業企業に依頼され、同企業が請け負っている農地に1カ月以上にわたってサービスを提供している。「料金は農地の面積で計算する。1ムー（約6.7アール）当たりの播種は15元（1元＝約22円）、施肥は20元、農薬散布は10元で、なかなかの収入になる」。喩さんはこのビジネスに非常に満足している。
従来の農作業と比べると、ドローンによる農業には大きなメリットがある。喩さんは「例えば面積約50ムーの田んぼなら、10人で播種しても数日かかるが、ドローンは60キロの種子を積載し、20分で撒き終える。ルートに従って自動で種を撒くことができるので、人手よりも均等に撒ける」と説明した。
農業用ドローンの応用は近年、増える一方だ。統計によると、2023年における中国の農業用ドローン数は20万台で、作業面積は延べ約1.42億ヘクタールに上った。
今年1月1日には「無人航空機飛行管理暫定条例」が施行され、「ドローン操縦者は民間用ドローン運転航空機操作制御員免許を持たなければならない」と明確に規定された。
喩さんはこの新しい規定を歓迎している。「市場の見通しが明るいから誰もがこの業界に進出したがり、就業者の質にばらつきが出ている。さらには意図的に市場を混乱させようとする悪質な者もいる。就業者の進出ハードルを引き上げることは、業界の規範的な発展に役立つ」と語った。
業界関係者は「若い就業者は農業以外にも、消防や測量、緊急時管理などのドローン応用分野を開拓すべきで、農繁期と農閑期の収入不均衡を調整する必要がある」と提起した。
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