第21回長春国際自動車博覧会(長春モーターショー)では、蔚来や理想、小鵬など中国自動車ブランドの展示ブースが多くの人で賑わった。新華社が伝えた。
今回のモーターショーはスマートコネクテッド新エネルギー車の製品や技術に焦点が当てられ、124の自動車ブランドが1100台の車両を展示。うち新エネ車は307台に達した。来場者は延べ22万6000人で、ロシアや韓国、パキスタンなど17カ国から100人以上の来賓がモーターショーを訪れ、商談を行った。
新たに発表された中国製自動車のうち、半数がヒューマンマシンインターフェース(HMI)を搭載し、来場者の注目を集めた。会場では「360度全方向の音声認識は正確だ」「ナビを投影できるので、下を向く必要はなくなった」「後部座席にも大型ディスプレイがあり、家族旅行に適している」などの声が聞かれた。
中国の自動車業界ではここ数年、スマート化とオンライン化の変革が加速している。国産自動車メーカーは、HMIシステムの開発を自動運転に続くトランスフォーメーションの重点とし、先進的なHMIシステムを搭載した新型モデルを次々と打ち出している。
モーターショーを訪れた業界関係者は「自動車メーカーやサプライヤーは研究開発を強化し、よりスマートで個性的なコックピットシステムを打ち出し、多様な需要を満たしている。紅旗や蔚来などの一部モデルはセンターコンソールを助手席のスクリーンにまで広げている。理想や広汽などのブランドは後部座席移動式スクリーンを設置している。一部の車載システムはさらに感情インタラクション能力を持ち、より情報化が進み人間に近づいている」と述べた。
長春モーターショーだけでなく、ここ数年各地で開催されたモーターショーでも同様の傾向があった。より成熟したHMI技術に牽引され、自動車は単なる移動手段から「大型端末」になり、消費者の購入意欲を刺激している。
今年4月に開催された2024北京モーターショーでは、車連天下が哪吒汽車、クアルコムと共同でキャビンドライビング・フュージョン・プラットフォームを発表し、没入型ディスプレイが注目を集めた。6月の粤港澳大湾区(広東・香港・マカオ・グレーターベイエリア)モーターショーでは、15.6インチの回転中空タブレットや携帯電話NFCキーなどのインタラクティブ機能を持つBYDの「秦」シリーズが好評を博した。
中国汽車工業協会のデータによると、24年上半期の自動車販売台数は前年同期比6.1%増の1404万7000台だった。
工業・情報化部(省)の辛国斌副部長は7月に開催された2024中国自動車フォーラムで「20都市で自動車・道路・クラウド一体化試行事業が始まった。9社の企業がスマートコネクテッドカーの生産参入や路上テスト走行を実施しており、運転補助機能を持つ自動車の販売台数は全体の50%以上になっている」と紹介した。
業界専門家は、スマートコネクテッドカーは世代交代・発展の新たな段階に入っており、自動車業界における新たな質の生産力の発展にとって重要な事業になると分析している。スマート化技術の進歩に伴い、HMIが未来の自動車の標準スペックとなり、5G技術の普及と人工知能(AI)の発展に伴い、よりスマートで人間化され、運転・乗車体験と車の安全性をさらに高めるとみている。
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