中国科学院新疆天山氷河国家野外観測研究ステーションの研究成果によると、中国西北地域の乾燥地帯にある面積0.5平方キロ未満の氷河は、21世紀半ばに融解により消滅するという。21世紀末には面積2.0平方キロ未満の氷河も消滅し、面積10平方キロ未満の氷河に残る氷の量が30%を下回る可能性がある。新華社が伝えた。
同ステーションによると、研究者は第3回新疆総合科学観測などのプロジェクトの支援を受け、西北地域の乾燥地帯の氷河資源とその変化の研究を開始。同地域の氷雪の過去50年間近くにわたる変化を明らかにし、将来の氷河とその融解水の流出量の変化を予測した。
同ステーションの責任者である王飛騰氏は「地球温暖化により、西北地域の乾燥地帯の新疆域内の氷河総面積が11.7%縮小した。縮小率はエリアによって8.8~34.2%の幅がある。氷河の融解が加速する潜在的な影響は、川の流出量への寄与と調節効果、気候のフィードバック効果への影響、景観・環境資源への影響などの面に現れる」と述べた。
研究者は、氷河の融解加速により初めて生じる変化は流出量の増加で、一部の大型氷河影響地域で氷河による災害が起こり、そして氷河の面積縮小により氷河融解水の流出量の「ターニングポイント」が生じることを発見した。
王氏は「氷河の被覆率が低く、小型氷河を中心とする流域では、その氷河融解水の『ターニングポイント』がすでに現れている」と補足した。
氷河は西北地域の乾燥地帯の重要な水資源である。第2回中国氷河目録のデータによると、新疆に現存する氷河は2万695本で、中国の氷河全体の42.6%を占める。総面積は2万2623平方キロで、中国の氷河総面積の43.7%を占めている。